ネットショップを始めたいと考えている方にとって、BASEやShopifyは非常に魅力的なプラットフォームです。これらのサービスを使えば、プログラミングの知識がなくても、比較的簡単にオンラインストアを開設できます。しかし、実際に始めるとなると「何から手をつければいいのか」と迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、BASEやShopify初心者が最初に取り組むべきことを、2025年の最新トレンドを踏まえて解説します。
目次
- BASEとShopifyの基本的な違い
- 開店前の準備
- ショップ開設の基本ステップ
- 商品登録のポイント
- デザインカスタマイズの基本
- 決済・配送設定
- 集客の初期施策
- 分析と改善の始め方
- 2025年に注目すべき新機能・トレンド
- まとめ:成功への道筋
1. BASEとShopifyの基本的な違い
まずは、BASEとShopifyの基本的な違いを理解しましょう。
BASE
- 特徴: 日本発のサービスで、日本市場に特化
- 料金: 基本無料、売上に応じた手数料(2025年現在、販売手数料3%+決済手数料)
- 難易度: 初心者でも簡単に始められる
- カスタマイズ性: 比較的シンプルで限定的
- 向いている人: 初めてのネットショップ、小規模での運営を考えている方
Shopify
- 特徴: 世界的に普及しているECプラットフォーム
- 料金: 月額制(2025年現在、Basic プランは$29/月〜)+ 決済手数料
- 難易度: やや学習コストが高い
- カスタマイズ性: 非常に高く、拡張性も豊富
- 向いている人: 本格的なECビジネス、将来的な拡大を視野に入れている方
2025年の新傾向: BASEもカスタマイズ性を高める新機能を追加し、Shopifyも日本市場向けの機能強化を進めており、両者の差は以前より縮まっています。
2. 開店前の準備
ショップを開設する前に、以下の準備をしておきましょう。
ビジネスプランの策定
- 販売商品の決定: 競合調査を行い、差別化ポイントを明確に
- 価格設定: 原価、競合、顧客心理を考慮した戦略的な価格設定
- ターゲット顧客の明確化: 年齢、性別、興味関心などを具体的に設定
法的要件の確認
- 特定商取引法に基づく表記: 販売者情報、支払方法、返品ポリシーなど
- プライバシーポリシー: 個人情報の取り扱いについての方針
- 必要な許認可の確認: 商品によっては特定の許可が必要な場合も
商品準備
- 商品写真: 高品質な商品画像の準備(スマホでも最新機種なら十分な品質)
- 商品説明文: SEOを意識した魅力的な説明文の作成
- 在庫管理計画: 初期在庫数の決定と管理方法の検討
2025年のポイント: AIを活用した商品撮影補助ツールや説明文生成ツールが充実しています。BASEとShopifyの両方で、これらのAIツールとの連携機能が強化されているので積極的に活用しましょう。
3. ショップ開設の基本ステップ
BASEの場合
- アカウント登録: メールアドレスで簡単に登録可能
- ショップ情報の設定: ショップ名、URL、ロゴなどの基本情報を設定
- 特商法表記の入力: 法律で定められた販売者情報を入力
- 決済方法の設定: クレジットカード、コンビニ決済、PayPayなどの設定
- 配送方法の設定: 配送業者や送料の設定
Shopifyの場合
- 14日間の無料トライアル開始: クレジットカード不要で試用可能
- 基本情報の設定: ストア名、住所、連絡先などの入力
- テーマの選択: デザインテンプレートの選択と初期カスタマイズ
- ドメイン設定: 独自ドメインの購入または既存ドメインの接続
- 支払いプロバイダーの設定: Shopify Payments、PayPalなどの設定
2025年の新機能: BASEでは「AIショップ設定アシスタント」が登場し、質問に答えるだけで最適な初期設定を提案してくれます。Shopifyでも「セットアップチェックリスト」が進化し、業種別の最適な設定フローを提供しています。
4. 商品登録のポイント
効果的な商品登録の基本
- カテゴリ分類: 顧客が探しやすいカテゴリ構造の設計
- 検索性の高い商品名: 検索されやすいキーワードを含めた商品名の設定
- 詳細な商品説明: 特徴、サイズ、素材、使用方法など詳細情報の記載
- 複数の商品画像: 様々な角度、使用シーンを示す複数の画像
SEOを意識した商品登録
- キーワードリサーチ: 関連キーワードの調査と戦略的な配置
- メタデータの最適化: タイトルタグ、メタディスクリプションの最適化
- ALTテキスト: 画像の代替テキストにキーワードを含める
バリエーション設定
- サイズ・カラー: 適切なバリエーション設定で顧客の選択肢を増やす
- セット販売: 関連商品のセット提案で客単価アップ
- 限定商品: 数量限定や期間限定商品で希少性を演出
2025年のトレンド: 両プラットフォームとも「AIによる商品タグ自動生成」機能が強化され、適切なキーワードを自動提案してくれます。また、Shopifyでは「AR商品プレビュー」機能が標準搭載され、顧客が商品を仮想的に試せるようになっています。
5. デザインカスタマイズの基本
BASEのデザインカスタマイズ
- テンプレート選択: 業種に合ったデザインテンプレートの選択
- カラー設定: ブランドカラーに合わせたカラーパレットの設定
- ヘッダー・フッター: ロゴやナビゲーションメニューのカスタマイズ
- トップページレイアウト: 商品の見せ方、バナーの配置などの調整
Shopifyのデザインカスタマイズ
- テーマ選択: 無料/有料テーマからの選択(2025年は日本向けテーマが充実)
- セクション編集: ドラッグ&ドロップでのページ構成編集
- CSS/HTML編集: 上級者向けの詳細なコードカスタマイズ
- アプリ連携: デザイン拡張アプリの活用
モバイルファーストデザインの重要性
- レスポンシブ確認: スマートフォン表示の最適化
- 読み込み速度: 画像最適化による表示速度の向上
- タップしやすいUI: 指でのタップを考慮したボタンサイズと配置
2025年の新機能: BASEでは「AIデザインアシスタント」が登場し、商品ジャンルや好みに応じた最適なデザイン提案をしてくれます。Shopifyでは「ノーコードページビルダー」が進化し、プログラミング知識なしで高度なカスタマイズが可能になっています。
6. 決済・配送設定
決済方法の設定
- クレジットカード決済: VISA、Mastercard、JCB等の主要カード対応
- コンビニ決済: セブンイレブン、ローソンなどのコンビニ支払い対応
- 電子決済: PayPay、LINE Pay、楽天ペイなどの設定
- 後払い決済: NP後払い、Paidy等の設定
配送方法の設定
- 配送業者の選択: ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便などの設定
- 送料設定: 全国一律、地域別、金額別などの柔軟な送料設定
- 配送オプション: 時間指定、日付指定などの設定
- 国際配送: 海外発送の対応設定(需要がある場合)
在庫管理の基本
- 在庫数の設定: 商品ごとの在庫数管理
- 在庫切れ通知: 在庫切れ時の自動通知設定
- 予約販売: 入荷前の予約販売設定
2025年の新サービス: BASEでは「即日配送オプション」が主要都市で利用可能になり、Shopifyでは「環境配慮型配送」オプションが追加され、カーボンオフセット配送を選択できるようになっています。また、両プラットフォームとも「リアルタイム配送追跡」機能が強化されています。
7. 集客の初期施策
SNS活用の基本
- Instagram連携: ショッピング機能の活用とフィード投稿の定期化
- X(旧Twitter)活用: 商品情報や限定情報の発信
- LINE公式アカウント: 顧客との直接コミュニケーション
- TikTok活用: 短尺動画による商品アピール(2025年は特に重要)
検索エンジン対策(SEO)
- 基本的なオンページSEO: タイトル、説明文、URLの最適化
- ブログ機能の活用: 関連コンテンツの定期的な発信
- 構造化データの設定: 商品情報の構造化マークアップ
初期プロモーション
- オープン記念セール: 期間限定の割引やクーポン提供
- 友達紹介プログラム: 紹介特典の設定
- 無料サンプル: 一定金額以上の購入で無料サンプル提供
2025年のトレンド: 「ソーシャルコマース」の重要性がさらに高まり、BASEとShopifyの両方でTikTok Shop、Instagram Shop、YouTube Shoppingとの連携が強化されています。また、「マイクロインフルエンサー」を活用した小規模かつ高効率なプロモーション手法が主流になっています。
8. 分析と改善の始め方
基本的な分析指標
- 訪問者数: 日別/週別/月別の訪問者推移
- コンバージョン率: 訪問者のうち購入に至った割合
- 平均購入金額: 1回の注文あたりの平均金額
- リピート率: 再購入した顧客の割合
分析ツールの設定
- Googleアナリティクス4: 詳細なユーザー行動分析
- サーチコンソール: 検索流入キーワードの分析
- 各プラットフォーム独自の分析ツール: BASEアナリティクス、Shopify Analytics
PDCAサイクルの実践
- Plan(計画): データに基づく改善計画の立案
- Do(実行): 計画に基づいた施策の実行
- Check(評価): 結果の測定と分析
- Action(改善): 分析結果に基づく次の施策立案
2025年の新機能: BASEでは「AIインサイトアシスタント」が登場し、データ分析から具体的な改善提案を自動生成します。Shopifyでは「予測分析ダッシュボード」が強化され、将来の売上予測や在庫最適化の提案が可能になっています。
9. 2025年に注目すべき新機能・トレンド
AI活用の進化
- AI商品撮影アシスタント: スマホで撮影した商品画像を自動で高品質化
- AI商品説明生成: 基本情報から魅力的な商品説明文を自動生成
- AIカスタマーサポート: チャットボットによる24時間対応
サステナビリティ対応
- 環境配慮型パッケージ: 環境に配慮した梱包材オプション
- カーボンニュートラル配送: CO2オフセット配送オプション
- エシカル認証表示: 商品の倫理的生産証明の表示機能
新しい購入体験
- AR/VR商品体験: 仮想試着や商品の3D表示
- ボイスショッピング: 音声アシスタントを通じた注文機能
- サブスクリプション強化: 定期購入機能の柔軟なカスタマイズ
オムニチャネル連携
- 実店舗連携: オンラインとオフラインの在庫・顧客データ統合
- ライブコマース: リアルタイム配信での商品販売機能
- メタバース出店: 仮想空間での店舗展開オプション
10. まとめ:成功への道筋
BASEやShopifyでのEC運営を成功させるためには、以下のステップを意識しましょう。
短期的な取り組み(1〜3ヶ月)
- 基盤構築: ショップデザイン、商品登録、決済設定の完成
- 初期集客: SNS連携、オープンキャンペーンの実施
- 初期データ収集: 基本的なアクセス解析の設定と観察
中期的な取り組み(3〜6ヶ月)
- 商品拡充: 顧客ニーズに基づいた商品ラインナップの拡大
- リピーター施策: メルマガ、LINEなどを活用した既存顧客へのアプローチ
- SEO強化: コンテンツ充実によるオーガニック流入の増加
長期的な取り組み(6ヶ月〜)
- ブランド構築: 独自の世界観と顧客体験の確立
- データ活用: 蓄積されたデータに基づく戦略的な意思決定
- チャネル拡大: 新たな販売チャネルやマーケットプレイスへの展開
最後に
2025年のEC市場は、テクノロジーの進化により初心者でも高度なショップ運営が可能になっています。しかし、どんなに技術が進化しても、「顧客に価値を提供する」という基本は変わりません。
BASEとShopifyのどちらを選ぶにしても、自分のビジネスの特性や目標に合わせて選択し、顧客目線でのショップ作りを心がけましょう。小さく始めて、データに基づいて継続的に改善していくことが、ECビジネス成功の鍵です。
この記事が、BASEやShopifyでのEC運営を始める方の参考になれば幸いです。2025年のEC市場で皆さんのビジネスが成功することを願っています!